日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2019年8月10日物事を素直に受け止める


話し方教室ベーシックコースの3回目、4回目のスピーチ実習は「あいさつを実行して」というテーマです。

普段と少しだけ違うあいさつをしてみて、自身の気持ちの変化、相手の言動の変化などについて話してもらっています。

この課題にきちんと取り組んでもらった人の多くは、人間関係が明らかに変わったことを実感され、聞き応えのあるスピーチをされます。



先日も、このテーマで素晴らしいスピーチを聞きました。仮にAさんとしましょう。

Aさんには、小学校と幼稚園に通う子供がいます。

Aさんは、子供達に常日頃、「大きな声であいさつしないとダメだよ!」と言っているそうですが、子供達はなかなか言ったとおりにはしません。

それがちょっとしたストレスになっていました。

今回、話し方教室で、あいさつを励行することが宿題になったので



、Aさんは、ご自分の子供達に、大きな声で自分から「おはよう!」とあいさつしました。

すると、子供達は二人とも、大きな声で「おはようございます!」とあいさつをかえしてくれました。

そのとき、Aさんは気付きました。

大きな声であいさつをしていないのは、子供達ではなく、自分自身だったんだ、ということに。

話し方教室では、子供は親の言うとおりにはしないが、親がするとおりのことをする、ということをお伝えしています。

Aさんは、まさにこのことを日常の中で体験されたのでした。

それからは、学校や幼稚園で、Aさんが率先して「こんにちは!」とあいさつをしています。

子供達も、それに続いて「こんにちは!」と大きな声であいさつをしている、とのことです。

私はこのスピーチを聞いて、Aさんが、ご自身に改善すべき点があったことに気づき、素直にそれを認められたことが、とても素晴らしいと思いました。

常日頃、話し方教室の受講生の様子を見ていて、自分の改善点に気付いて素直にそれを認める人は、必ず話し方も話している内容も変わる、と思っています。

改善点という表現をしましたが、要は自分の欠点ですね。

人は、自分の欠点になかなか気付きませんし、気付いても認めようとしません。

なので、自分の欠点を認めるだけの素直さがある人は、話し方教室でお伝えしていることも、また、講師のアドバイスも、素直に受け入れてくれます。

そして、素直に努力を重ねます。自宅でしっかりと課題に対する練習をしてきてくださいます。

何かを学ぼう、自分を変えよう、と思われている方は、このAさんのように、色々なことをぜひ素直に受け入れていただきたい、と思います。
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